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2009年8月18日火曜日

シヴァリンガ


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 (日本人男性が)タイの喫茶店でウェイトレスに「コーヒー」を注文すると、いきなりひっぱたかれるか、セクハラで訴えられる可能性がある。
 (日本人女性が)タイ人の男性に「怖い」と言うと、はしたないと思われるか、その場に押し倒されて服を脱がされる可能性がある。

 コ-・ヒー( ขอหี )のコーは 「~を下さい」、ヒーは「膣, 女性器」の卑猥語だから、日本人が「コーヒー」と発音すると、「エッチさせて。」という意味になってしまう。また、「イモ」も女性器の隠語なので、市場で芋を見つけても「イモ!」と叫んではいけない。
 「水牛」はクワーイ( ควาย )、「バナナ」はクルーアイ( กล้วย )だが、クワイ( ควย )は「陰茎, ペニス, 男根」のことだ。この三つは発音の区別が難しくて、どれも「コワ(ー)イ」のように聞こえる。
 だから、女の子がゾウの長い鼻に恐る恐る触れながら「コワーイ 。」と言ったり、タイ人男性の部屋でホラー映画のビデオを見ながら「コワ~イ。」と言ったりしてはいけない。

 



 バンコックのカーオ・サーン通りの露天などで、男性生殖器を象った木製のお守りが売られている。パラッ(トゥ)・キッ(ク)( ปลัดขิก )といい、「暮らしのタイ語単語7000」(佐藤正透 語研)によると、「これを着けると不死身の体になり、女運も良くなる」らしい。そんなに有難い物だとは知らなかった。今度タイに行った時には、忘れずに買うことにしよう。
 ところで、このお守りは「シヴァリンガ」が起源のようだ。シヴァはヒンズー教の三最高神の一柱で、破壊を司る神だ。リンガはサンスクリット語で「男根」の意味であり、シヴァの象徴とされている。



 「シヴァリンガ」は、リンガと「女陰」の象徴であるヨーニの二つの部分からなり、性交した状態を示す。ヒンズー教では生命原理の最高のシンボルとされ、シヴァ神が女性と性交をして現われたのがこの世界で、それが我々の住んでいる世界という意味になっている。
 挿入されたシヴァのチンコを膣の内側から拝見して、礼拝することになる。真に有難い。(合掌)

おくりびと


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 タイでは、基本的には火葬パオ・ソッ(プ)( เผาศพ )と土葬ファン・ソッ(プ)( ฝังศพ )の二種類から埋葬方法を選べるそうだ。病気、老衰など天寿を全うした自然死の場合は、火葬する。異常死や突然死の場合、死者は悪霊化し、近親に厄をもたらすと考えられており、葬送儀礼をせずに速やかに土葬される。 
 カレン族の一部では、年寄りは火葬されるが若者は土葬されるというように、年齢的に葬法が異なる場合もある。また、ヤオ族の葬儀には土葬と火葬があるが、火葬後に遺骨のみを埋葬してお墓を作るケースが一般的だ。
 「タイ人と中国人の区別は死ぬと分かる」と言われる。タイ人はお墓スサーン( สุสาน )、ルム・ファン・ソッ(プ)( หลุมฝังศพ )を持たず、中国人はお墓を持つことから明確に区別できるのだ。 タイ人が仏陀の教えに従って(釈迦が火葬されたからだと伝えられる。)遺体を火葬するのに対し、道教、儒教の影響を色濃く受けている華人は遺体を土葬する。
 タイ人の場合、遺骨は火葬後、寺にある共同の納骨塔に安置したり、占い師に決めてもらった日に海や山河に散骨したりする。一般的な仏教徒の場合、墓はない。テーラワーダ仏教(上座部仏教)の教えでは、死んだ瞬間に次の生に結生(生まれる)するので、遺骨に執着することはないのだ。

2009年8月17日月曜日

藁人形


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 数年前から、チェンラーイのナイトバザールで見かけるようになった「ブードゥー(Voodoo)人形」。つい、露店の前で足を止めて、毛糸をぐるぐる巻いた可愛らしい人形に見入ってしまう。
 タイ東北部のイーサーン地方に古くから伝わる「願掛け」、あるいは「厄除け」の藁人形が元になっているようだが、「ブードゥー教」が呪いの儀式に使う藁人形に似ているということから、その名で広まったらしい。


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 ブードゥー教は、アフリカの民間信仰が植民地時代の奴隷貿易によってカリブ海地域に伝わり、キリスト教(カトリック)と習合して成立した。ブードゥー教には「呪い」の儀式があり、黒魔術(ペドロ)と呼ばれるブードゥー魔術は、人間に呪いをかけることができると言われている。
 日本にも「丑の刻参り」というのがある。丑の刻(午前1時から午前3時頃)に神社の御神木に、呪いたい相手に見立てた藁人形を毎夜五寸釘で打ち込むという、日本に古来から伝わる呪術の一種である。


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 タイのブードゥー人形は、もちろん「呪い」のための人形ではない。現在では、ポクポン(POK-PONG)という商標登録名で売られている。ポクポン( ปกป้อง )とはタイ語で、「保護する」という意味だ。タイ語では「人形」を意味するトゥッカター( ตุ๊กตา )と言う語を付けて、トゥッカター・ポクポン ( ตุ๊กตาปกป้อง ) と呼ぶことが多い。

2009年8月5日水曜日

もうちょっとだったのに「もったいない」

 人間誰しも、ナー・アーイ( น่าอาย )ずべき、みっともない状況は避けたいし、他人のトゥレー(トゥ)( ทุเรศ )聞くに耐えない、見苦しい言動を嫌うものだ。
 ワン・ワー ( หวังว่า- )~であるように希望しワン・チャイ ( หวังใจ )
 期待するが、思うようにいかないとピッ(トゥ)・ワン( ผิดหวัง )がっかりするし、トー・チャイ( ท้อใจ )くじける。 そして、スィア・チャイ( เสียใจ )後悔し、 残念だと思う( regret )

 「もったいない」という言葉の意味を「大辞林」で調べてみると、「(有用な人間や物事が)粗末に扱われて惜しい。有効に生かされず残念だ。 」と最初にある。例えば、食べ物を残すのはスィア・ダーイ ( เสียดาย )もったいない( wasteful )ことだ
 タイのテレビを見ていたら、TBS のスポーツエンターテイメント番組 SASUKE をタイ語の吹き替えで放送していた。出場者がもう少しでそのステージをクリアーするというところで、水の中に落っこちた。その時、実況アナウンサーがスィア・ダーイと叫んだ。このスィア・ダーイは日本語の「もったいない」と同様に、「惜しい, 残念だ」と同義で使っている。この場合、英語の wasteful は使えないだろう。敢えて英訳するとすれば、regrettable だろうか。( It is a pity that~. Unfortunately~. などの表現が考えられる。)


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