まず、ドゥアイ(ด้วย)という単語が紛らわしい。もう、ずいぶん前のことだが、当時付き合っていたタイ人女性から、毎週エアメイルが届いた。辞書を片手に読んでみると、ドゥアイがたくさん出てくる。「~ドゥアイ」は「一緒に~する」という意味だから、「そうか、そんなに俺と一緒にいたいのか。」と思っていた。しかし、手紙の中のドゥアイはすべて、「~して下さい」という敬語表現で使っていたことに、後になって気付いた。日本語同様、タイ語では主語の省略が容易なため、今でも、「どっちの意味だろう。」と考えてしまうことがある。
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このカンがまた、紛らわしい。カンにはもう一つ、「防ぐ」という意味があるからだ。例えば、ヤー・カン・ユン(ยากันยุง 「薬」+「防ぐ」+「蚊」)は普通、「蚊取り線香」のことを指す。ロッ(トゥ)・チョン・カンで(รถชนกัน 「車」+「衝突する」+「互いに~する」)は「車が衝突する」という意味だが、カン・チョンと語順を変えると、車の「バンパー」という意味になってしまうのだ。
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また、ドゥアイには前置詞としての用法もあり、「ドゥアイ~」で「~でもって,~を使って」と、道具・手段・材料を表す。具体的な普通名詞だけでなく、「ドゥアイ+抽象名詞」で副詞句を作る。英語の with の用法に近いだろう。