「コンピューター」はコームピウトゥーと言い、英語名をタイ語表記して用いている。コンプゥーター用語の多くがそうだ。「コーヒー」はカーフェーで、フランス語を語源とする。「オートバイ」はチャックラヤーン・ヨンだが、口語ではモーターサイクルを略してモートゥーサイと言い、バイクタクシーの意味でも使う。「テレビ」はティー・ウィーで、トーラタッ(トゥ) が書き言葉 である。「パスポート」は パー(トゥ)・サポー(トゥ)の口語とナンスウ・ドゥーン・ターン の書き言葉を使い分ける。日本語の「宿」(和語)・「旅館」(漢語)・「ホテル」(外来語)などは、口語、文語の使い分けというよりは指し示す対象が問題になってくるが、タイ語にもそういうイメージや概念で使い分ける言葉もたくさんあるに違いない。
タイ語には[v]の音がないため[w]で代用するようだ。また、無声歯茎破擦音[ts]の発音もない。だから、私の名前はこの[ts]の音を含むので、欧米人同様にタイ人も私の名前をなかなか覚えてくれない。飲み屋の姉ちゃんは勝手に私をエッグ(egg)とかエイ(A)とか呼んでいる。[ts]は[s]で代用し、「津波」はスナーミになる。付け加えると、外来語の中には、タイ文字表記が統一されていない言葉も多いそうだ。
タイ語では音節の頭に置かれる頭子音は21あるが、音節の最後に置かれる末子音は9種類しかない。その結果どういうことが起こるかと言うと、例えば、英語のsauce(ソース)の発音をタイ文字に置き換えてซอส とする。この時最後の子音字สは頭子音では[s]だが、末子音の発音は[t]のため、 という発音になってしまう。そして、末子音に[s]の音はない。「クリスマス」 も同じように、クリッ(トゥ)・マー(トゥ) になる。 同じ理由で、「ホテル」はホーテンと単語の最後の発音が変わってしまう。
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