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2009年1月30日金曜日

レーオ・テー再考

 前回のブログの内容に関して、コメントをいただきました。失礼して抜粋して載せさせていただき、私なりの考えを書いてみたい思います。



 コメント: 今回の「レーオ・テー」ですが、相手を見放すというイメージがあるということですが、それでは、英語のup to youとニュアンスが似ている表現はありますでしょうか?



 レーオ・テーのレーオは、助動詞の用法としては「すでに~した」 という完了の意味を表し、接続詞の用法としては「そして、それから」という意味を表す。一方、レオー・テーのテーは、接続詞の用法としては「しかし」、群前置詞の用法として、タン・テーで「~から、~以来(時間の起点)」という意味を表す。
 どうだろうか。一見して相容れないこの二つの単語が結び付いたレーオー・テーを文字通りに直訳しようとすると、「もう終わっちゃったんだけどなぁー」などという意味になってしまう。レーオ・テーと言われて、突き放されたような、放り出されたような気持になるのは、この単語レベルの辞書的意味に起因しているように思われる。
 英語の It's up to you. の場合、up to の第一義的意味は「…まで; …に達して」であり、そこから「…に適して, 匹敵して」というような意味が出てくる。だから、 It's up to you to decide what to do next? (次に何をやるべきか決めるのはあなた次第だ。)と言われても、別に「相手を見放す」というイメージは浮かばない。会話の場面では、この言葉のすぐ後に If you like, you … と続くことが多い。一任しても決してほったらかしにしたわけではない。



 以前タイ人の家に居候していた時、近くの美容院で散髪してもらって帰ってくると、その家の中学生の娘が自分も髪を切りたいと言う。もう一度美容院まで一緒に行き、彼女が髪を切ってもらっている間椅子に腰かけて待っていたのだが、途中彼女が「髪を洗ってもらってもいい?」と尋ねた。私の懐具合を気にしたらしいのだが、私はこの場面でレーオ・テーとは言わなかった。レーオ・テーと言うと(実際には、そんなことはないのかもしれないが)何だか冷たいようで嫌われるのではないかと思った。それでは何と答えたかというと、ター・ヤーク・ラーン・ポム・コー・チャ・ラーン(洗いたければ洗いなさい。) と言った。ター・ヤーク(ถ้าอยาก)というのが「もし~したいなら」という意味である。英語だと If you want … や If you like… に当たる表現だ。この方が寛大に聞こえないだろうか。あくまでも私個人の見解で、私のタイ語のレベルでは何とも言えないが、 It's up to you. If you like, you … の後半のみを言った方が、かえって英語の up to you の感じに近くなるように思うのだが。

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